業務アプリケーションの開発フレームワークとして活用する
目次
- オープンソースは人類の英知の結晶
- 業務アプリケーションの開発フレームワークとしてのiDempiere
- エクセル管理に限界を感じたら、iDempiereを開発フレームワークとして活用して、エクセル管理から脱却しよう!!
オープンソースを活用するメリットはコスト面だけではありません。商用アプリケーションはパッケージベンダーと呼ばれる企業1社により開発が行われていますが、コミュニティがベースとなって開発しているオープンソースでは、世界中の才能あふれる開発者が集まって開発しています。その成果物であるオープンソース・ソフトウェアは、まさに人類の英知の結晶といえるでしょう。
私たちが提供するソリューションの基盤として活用している"iDempiere"も、間違いなく人類の英知の結晶と言えるものです。
現在では、多くのプロジェクトで開発フレームワークにオープンソースを活用しているのではないでしょうか? iDempiereはオープンソースのERPですが、その本質は"業務アプリケーションの開発フレームワーク"です。iDempiereはERPとして多くの業務管理機能を提供しているだけでなく、業務アプリケーションの開発フレームワークとして、業務アプリケーションを開発するうえで必要となる様々な機能を提供しています。それらの機能を活用する事で、業務アプリケーションを生産性高く開発する事ができます。
iDempiereの開発イメージ
iDempiereは業務アプリケーションの開発フレームワークとして、コーディングは基本的にビジネスロジック(データ処理ロジック)部分に集中して行えばよく、ビジネスロジック以外の業務アプリケーションを作成する上で汎用的に必要となる機能は既に用意されており、それらの機能を活用する事で生産性高く開発する事ができます。
iDempiereの開発する主な機能
iDempiereは、“データを入力する画面”と“入力したデータを処理するビジネスロジック”、“処理したデータを確認するレポート(帳票)”の3つの機能を中心に業務を処理し、管理するシステムです。ここからは、この3つの機能の開発方法を概要的に説明します。
データ入力画面の開発
iDempiereはウィンドウと呼ばれる汎用的なデータ入力画面と、フォームと呼ばれ非定型の入力画面を作成する事ができます。
ウィンドウ(定型入力画面/標準入力画面)
ウィンドウはパラメータ設定だけで作成する事ができます。データを格納するデータベースのテーブル定義に、ウィンドウを作成するためのパラメータ設定を加える事でiDempiereが自動作成します。簡単なデータ入力画面であれば、数10分程度で作成する事ができます。
フォーム(非定型入力画面)
ほどんどのデータ入力画面はウィンドウで作成する事ができますが、ある特定の業務においては特別なデータ入力画面が必要になる場合があります。そのような場合はフォームによりデータ入力画面自体を開発して、iDempiereに組み込むことができます。
ビジネスロジックの実装
iDempiereではデータを登録・更新・削除時に独自のビジネスロジックを実装する事ができます。そして業務アプリケーションとして日次や月次のバッチ処理を実装する事もできます。
データの登録・更新・削除時のビジネスロジックの実装
iDempiereでは、1つのデータベースのテーブルに対して1組のモデルクラスというJavaのクラスを作成する事で、データを登録・更新・削除時にビジネスロジックを実行する事ができます。
プロセス(バッチ処理)としてのビジネスロジックの実装
iDempiereではバッチ処理の事をプロセスと言い、データ入力画面(ウィンドウ)やデータ検索画面、メニューツリーなどから実行する事ができます。プロセス自体は、ビジネスロジックとしてJavaでコーディングする必要がありますが、バッチ処理の実行条件を入力する画面はパラメータ設定だけで作成する事ができます。プロセス実行のログの記録と出力も、予めiDempiereで用意されているメソッドを使用するだけです。
レポート(帳票類)の開発
iDempiereではレポート(帳票)を開発するために、「オンラインレポート」、「会計レポート」、「ジャスパーレポート」の3種類のツールが提供されています。
オンラインレポート
オンラインレポートでは、管理及び分析のためにデータを一覧表示する"一覧レポート"と、取引先に証票とする送付する"定型レポート"をパラメーター設定で作成する事ができます。
会計レポート
会計レポートは、財務部・経理部のパワーユーザー向けのレポート開発ツールです。レポートの表示対象となるデータは仕訳のデータに限られますが、ERPとしてリアルタイムに貸借対照表や損益計算書が作成できるのはもちろん、管理会計として多次元分析レポートも簡単に作成する事ができます。
ジャスパーレポート
ジャスパーレポートはオープンソースのビジネスインテリジェンス(BI: Business Intelligence)ツールであり、帳票作成ツールです。iDempiereでは、ジャスパーレポートの帳票レイアウト作成ツールであるJaspersoft Studioで作成したレポート定義を取り込んで、出力する事ができます。
iDempiereのシステムアーキテクチャ
モデル駆動アーキテクチャ
Excel管理に限界を感じたら、iDempiereを開発フレームワークとして活用して、Excel管理から脱却しましょう!! iDempiereの標準入力画面(ウィンドウ)では、データを一覧表示させるExcelによく似た画面も提供しています。そのためiDempiereは、Excel管理から脱却するための業務アプリケーション開発フレームワークとしても適しています!!
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